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数学には世界を変える力がある

先日、アルキメデスの戦争という映画を観ましたが、とても面白かったです。漫画が原作でフィクションではありますが、いろいろと現実の問題に対するメタファーを示しているように思います。国家権力とそれを支える強大な官僚システム内での争い、そのトップの思惑と策謀、それに翻弄されながらも組織の一員として懸命に働く主人公、さらに大きく未来を俯瞰して眺めている登場人物など、漫画の原作のプロットがしっかりしているから面白い脚本になっていると思います。脚本が映画の面白さのすべてを決定すると言っていい。

主人公は、戦艦の建造費を算出する役割を持っていますが、制約された条件の中でそれを遂行しなければなりません。

なおかつ、時間的な制約が加えられ、見つけたのが、過去の建造艦の鉄の総量から建造費を算出する方法です。その数式を表すグラフがこれです。主人公は天才数学者となっていますが、今でいう応用数学者、数理解析学者という立場でしょう。時間と条件が制約されている中で、最適解を出すところが非常に面白い。


こういう映画が出ると、国威発揚映画だ、戦争を肯定するのはけしからんというご意見もあるでしょう。しかし、戦争がどのように起こり、なぜ起こるのかということを全く知らなけば、戦争が起こらないためにどうしたら良いかということはわからないでしょう。むしろ、戦争に無知でいる、耳をふさぐ行為こそが、ある思惑によって戦争に突き進むことになると思います。


国家権力とそれを支える官僚機能は巨大で、私たち一般庶民にはどうにもできないと思うかもしれませんが、独裁国家でない限り私たちには政治を通じて変えることができるという希望があります。

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