どんなときでも子どもの要望を聞いてあげないといけないのか
10月22日の日曜日は福山で「行動問題の理解と対応」セミナーを開きました。台風が通過中ということで一時どうなるかと思いましたが、無事開催し当日休まれた方も3名だけでした。セミナーの質問コーナーで1つの質問がありました。「福祉の現場では、どんな時でも子どもの要望を聞いてあげないのは虐待ではないかという考えがある。たとえば放デイから帰る間際になって、ある子どもがドライブに行きたいと泣いて抵抗を示し癇癪を起すが、癇癪を放置しておくのは虐待ではないか。」というものでした。その子どもは発語がありますか?と聞くと、あまりないとの返事でした。
私は自閉症コミュニケーション7つ道具を使って説明を始めました。まず癇癪で要求を伝えるのではなく、絵カードなどの代替手段を使って要求を伝えられるようにすることが大事です。次にその要求はいつ叶えられるのかをスケジュールを使って伝えてあげることです。それによって、子どもの要求を聞いてあげるけど、こちらの都合も子どもに伝えられます。さらに要求が無制限に見られる場合は、その実現にはコストがかかることを教えてあげる必要があるでしょう。たとえばトークンシステムを利用するのです。
他にも、注意引き行動に対してのスタッフの対応の統一が難しいという意見もありました。これは、早急にスタッフ会議を開いて対応の統一を図る必要があるでしょうし、経験の少ないスタッフが多ければ、ロールプレイなども取り入れてみると良いでしょう。それに関連して情報共有や引継ぎ、支援の統一の難しさの意見もありました。あらゆる支援のおいて、チームで取り組んだり機関間の連携の乏しさという課題も感じました。